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本日、NIIで行われた石井裕氏の基調講演を聴きに友人と神保町の学術総合センターへ行ってきた。

テーマは「独創・協創・競創の風土とタンジブル・ビット」。
内容は下記ムービーと同じスライドを用いた日本語版といった内容。

「こちらは●●で××のように見えて、実は■■が○○になって□□なんです。」
と、日本語で説明しているのだが、記号部分には英語が入り、NHKのザ・プロフェッショナルの独特の語り口調そのままであった。

前半に、Alan Kayの言葉
「The best way to predict the future is to invent it.」
(未来を予測する最も優れた方法は、それを発明してしまう事である。)
を引用し、「Tangible Bits」の着想にいたるまでの経緯を、宮沢賢治やそろばんなどを用いてユーモアたっぷりのジョークを交えてプレゼンは軽快に進んでいく。詳細は公式サイトに詳しく載っているので、個人的に面白かったお話を2つ紹介。


プロジェクト名通り、卓球に一工夫加えてピンポン玉が台やネットに触れる時に音がなったりそれにシンクロして映像が流れる卓球台。ムービーが上記リンク下部にある。
このプロジェクトは、石井さんが着任時MITの学生達より劣っていると感じ、それを何とかしようと、「卓球なら誰にも負けない」ということで大学の研究費を使って得意分野の卓球を自分自身のプロジェクトにしたもの。
公式に研究発表する予定では無かったそうだが、思った以上に世界各国で評判がよく、フランスなどで発表に行く際に研究室の学生に海外旅行にいける用事を作って何だかんだでうまくいったというお話。
「本来皆で楽しむべき卓球が、負けてしまうと後味が悪く面白くない。
だから勝っても負けても映像や音で楽しめるようにした。」と仰っていた。

I/O Brush
ブラシの先端からテクスチャをスキャニングし、スクリーンに「絵の具」としてアウトプットするブラシ。
どういったものかはムービーを見れば誰でも一発でわかる。
RGBは各光の原色(レッド・グリーン・ブルー)を8ビット(256階調)で表して、その3つの混色で表現するというのは直観でわかりづらく、例えば「この花の色が美しい」とおもえばブラシをその花に充ててキャンパスに描けば、その花の色がそのまま使える。
もちろん実物からプロジェクター上に色を変換する時点でそのもの本来の色では無くなるが、「人とコンピューターの距離を縮める」という点は大きな効果があると思う。
講演では、このI/O Brushを使って描いた絵の中のある部分をタッチすると、元は何から色を持ってきたかが映像で表示され、例えば「この風景画の山の色は紫蘇の葉っぱの緑を用いた」という言語がビジュアルで明確に伝える事が出来る。

後半に、SF作家のWilliam Gibsonの言葉
「The Future is Already Here – It’s Just Not Evenly Distributed…」

(未来は既にここにある、単にまだ普及していないだけだ。)
を引用し、独創的研究開発の重要性を説き、ザ・プロフェッショナルの中でも語っていた、

・本質的な問いを発する事が重要
-独自の視点から、新しい本質的問題を見出し、新領域を開拓すること
・ビジョンがエンジン
-技術/ニーズ駆動の限界
-改良/翻訳/編集研究の限界

を強調し、最後に「私は50年後に死ぬだろうし、100年後には貴方達も残念ながらいずれ亡くなる、2200年を生きる未来の人々にあなたは何を残したいですか?どのように思い出されたいですか?」と、未来を生きる人の為の準備をすることが石井さんの研究を通じた社会貢献であると話を結び、拍手大喝采で講演が終了した。

感想:
14:00から1時間という短い時間であったが、本当に楽しく充実した。
こういった講演で最初から最後までワクワクしながら興奮した状態でいられる事は今まで殆ど無かったので、私としてはお金を払って聞く価値がある講演だと思った。(実際は全て無料)
随所に素朴なジョークを交えて観衆を飽きさせないプレゼンテーション手法も大いに学ぶべきポイントがたくさんあった。講演台から離れる際に、「この後にもまだ会場にいますので、質問があれば英語でも日本語でも、FORTRANでもPL/Iでも何でもどうぞ」と、再度会場をどっと笑わせたのが印象的であった。

追記
NII公式サイトより、開催された公演のムービーと石井教授のコラム?がアップロードされてます。

http://www.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&page_id=317

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