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2007-03

ネットは人間に貢献したか

コンピュータネットワークの歴史は米ソ冷戦時代の1969年にアメリカが開発したものが初めとされているが、その約20年後にイギリス人の学者・ティム・バーナーズ=リーが開発したWorld Wide Webが現在のインターネットの基礎を作ったとされている。

それがはじめとするならば、僅か10数年で与えた世界への影響は、歴史的にみても如何に凄い事なのかがよく分かる。私自身、コンピュータから得た恩恵は計りしれないが、最近至る所で叫ばれている「格差社会」について、色々と重なる点があったので述べてみる。

先に結論から言うと、「コンピュータが格差社会を呼んだ張本人である」と言いたい。
それは何故だろうか?

そもそも、ごく一部に使用者に限られていたコンピュータが、一般大衆化に向けてパーソナルコンピュータとして大きく発展してきたのには、人々の生活を豊かにしようとする目的があったはずである。
本当の意味(お金に限らず)で豊かになったのかどうかは実感として感じられない、むしろ昔からあった産業をコンピュータの出現によって破壊した方が目立っている。
だが、その事については、私は別に悪い事だとは思わない。

しかし格差の正体、所謂「富裕層」と「貧困層」の違いは、コンピュータで出来る事か出来ない事なのかが、大きく関わってきているのでは無いだろうか。
コンピュータで出来る事というのは、色々あるが簡略的に言うと、人間を遥かに凌駕した計算スピードと量、それに疲れないし、文句も言わない。
出来ない事は、考える事。企業経営に関する意思決定も、線形台数などを用いてあらゆる事象を評価をし数値に替え、データにする事は出来ても、結局最後に決めるのは人間である。

我々は既に気づいている、コンピュータに無い「創造力」を鍛えなければ生き残れないと言う事を。
だが、技術革新について本当に意味があるのは、その恩恵を受ける利用者では無く、やはりデザイナー(設計者)等のエンジニアである。

例えばAppleのiTunesとiPodの連携を見てみる。
iPodにあるのはホイールとボタン1つ、PCと接続すれば楽曲の更新、充電を勝手に始めてくれる。
iPodの筐体のデザインも素晴らしいが、Appleの人気の秘密はやはり中身のデザイン力にあると思う。
最近のMACのCMもそれを象徴している。ライバルのWindowsをビジネスユースで堅いイメージであると対比させ、「単純明快、使いやすい」を前面に打ち出している。

今後も、年度を増すたびに利用者は「何もしない」ままあらゆる事ができてしまうだろう。
これこそ、格差を生み出した正体だと言いたいのだ。

つまり、何でもかんでも技術革新は良い事では無いという事である。
その代表格がタイトルの通り、インターネットである。
インターネットがあれば、わからない言葉など無いに等しい。
Googleに探してもらえば言葉の意味は瞬時に知る事が出来る。
だが、そこが危険である事を忘れてはならない。

言葉の意味というものは、かなり昔の人達が決めて来たもの他ならない。
「○○は××の事である」に含まれているものは、あくまで○○=××という情報だけである。
この=(イコール)も、=じゃなくても☆や◆でも、上記の文自体に変化はない。

この文章だけでは、○○の意味が解っていないにも関わらず、ネットで調べて「○○って××の事でしょ?」と言ってしまえば、その意味を知っていると受け取るのが普通である。

解らなくても解ったような気にさせてくれるインターネット、これこそ格差社会が生まれた背景に密接に関わっている気がしてならないのである。

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映画になりそうな恋をした科学者:ファインマン

このブログのタイトルにもなっているが、私は物理学者のファインマンが大好きである。
しかし、はじめは物理学から彼に興味を持ち始めたわけではない、書店の理工書に変わった題名の文庫本があるのをたまたま見つけ、はじめは無名な科学者が書いたエッセイ集かなと思って手にとった。
その本には、彼の幼少時代の事からあの有名なマンハッタン計画についてまで事細かに書いてある。
後からわかった事であるが、彼はMIT出身のノーベル物理学賞受賞者、いわゆる一流の物理学者であった。
しかし、私の思い込みで有名な学者というのは、厳格でヘタな事は言わないイメージをもっているのだが、ファインマンはギャンブルもするしブラジルのサンバにドラム奏者として参加もする変わり者。私が特に好きになったのは、やはりエッセイ集の「困ります、ファインマンさん」を読んでからである。
前著「ご冗談でしょう、ファインマンさん」は、くだけた文章で役人や軍人に冗談のきついイタズラをしたりと、和やかであり痛快な内容であるが、こちらは少々違っている。
最初のエッセイは、ファインマンがまだ若い頃、妻と死別した事について、彼らしい表現で思いを綴っている。若くして恋に落ち、結婚を考えていた時期に彼女のアーリーンは不治の病にかかっている事が判明した。数年間の余命と知りつつも、彼らは結婚し純粋に愛し合っていた様を見て、ファインマンの人間性が読み取れる。
後へスペースシャトルの事故調査委員会時代の話へと続いていくが、彼の率直さには自分も見習わなければと思った。
ファインマンは死に際「I’d hate to die twice. It’s so boring.」と言っていた。彼らしい。

それとは別に、勿論彼の物理学も解りやすくおもしろい。
彼がカリフォルニア工科大学での講義をまとめた「Feynman Lectures On Physics」は、私の不安を取り除いてくれた素晴らしい物理学の教科書である。
ここに使われている英語は簡単と言われているが、私ではテンデ駄目だったので和訳をしたのも購入した。
翻訳が下手なので読みづらいが、他の物理学の本では書いていない事が書いてある。
彼は、公式ばかりのせた本を嫌っていた、当然ながらこの本も公式や数式は殆ど載ってはおらず、冗談を交えた身近な物理現象の説明が続く。
書いてあるのはエネルギーとは一体何者か??や、なぜ永久機関が作り出せないか?などだ。
この本だけでは私では演習問題を解くことが出来ない。だが、自然現象を「理解」するという点では最高の教材であろう。

物理を理解しようとする姿勢は、世の中を理解しようとする事と同意である。
宗教や占いが非科学的で、でたらめであるという批判があれば、逆に物理というのも「ニュートン教」の信者に他ならないという批判もある。

科学が戦争を最悪なものへと進化していった事も忘れてはならない、原爆の開発に参画したファインマンは、日本に2度実際に落ちて愕然としていた、しかし悪いのは科学では無い。
使い方を誤った政治家が悪いのだ。
金八先生が、薬中の生徒をかばい「人を憎むな、薬を憎め!!」と他の生徒に指導するシーンがあったが、その逆である。

とにもかくにも、優秀な物理学者として、一人の人間としてR.F.ファインマンの生涯は興味深い。

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就職情報誌が語る日本人観

このシーズン至る所でこの手の特集が組まれている雑誌が書店に並んでいる。
どれも似たような内容であるが、パラパラ読んでみて思う事がいくつかあった。

私が地元のメーカーにいた頃、新人研修はなく、時間が経つにつれ自分が当たり前と思っている行動が「非常識?」と思う節が何度もあり、商工会議所などで一人で新社会人セミナーの様なもの(こういったもの)を受けに行った覚えがある。
失礼の無い電話応対の仕方、己を下げる名刺の交換の仕方、座席が表す職場内ヒエラルキーなど、これらビジネスマナーは本当に細かい。

雑誌の中に、「新人力検定」なるものがあったので、いくつか抜粋してみる。

1.昨日先輩とキャバクラに行き、おごってもらいました。
  しかし次の日出社したら先輩が二日酔いで辛そうです。

a.「昨日ごちそうさまでした」と大きな声ではっきりと言う 
b.場所が場所だから、何も言わない
c.場所を選び軽い会釈をするなどして、状況をみてお礼を伝える

2.得意先でのプレゼンで、先輩がプレゼンの根幹に関わるミスがプリントされていました。
  本人は気づいていないようです、その時とる適切な行動は?

a.でしゃばると嫌われるので、見なかった事にする
b.先方より先に指摘しなければならないので、間違っていると声を掛ける
c.自分の資料を使い、隣にいる上司に指摘する

3.就業時刻のオフィスにて、自分だけ定時に仕事を終えました。

a.潔く、「お先に失礼します」と言い、帰る
b.何人か帰るまで辛抱し、待つ
c.上司に「何かお手伝いをすることはありますか?」と聞く

適切だと言われているのは全てcである。
だが、この手の状況判断は難しいものがある。
例えば3の問題、実際bの行動をとっている人が多いように見える。
残業をしている方が真面目な印象を得られるのが既に常識化しており、これには現在の給料の計算方法がうまく機能していないことも原因の一つではないだろうか。

基本的に、どれも相手を持ち上げ、自分は下がり、先輩をたてる、という点で共通している訳だが、例えば名刺交換。
マナー辞典にはこう書いてある。

渡すときのポイントは、相手より先に名乗り、相手より低い位置に名刺を出すこと。名刺はその人の身分なので、「自分はあなたより低い位置にいますよ」と示すことが大事。

ただの私の常識不足かもしれないが、仮に名刺を渡す相手が自分と同格で、クライアントでも無い場合はどうするのだろうか?「相手より低い位置で」とお互いしていたら、地面についてしまう。

次に上司との付き合い方についての説明。

事例:「俺は何でも同調するイエスマンが嫌いだ」と言っていた上司に、企画書のダメ出しをされたから反論したら、キレられた。
説明:自分が言ったことに反論されると気分が悪くなるものなので、Yes,But How法を使う。
最初は同調(Yes)し、次に自分の意見を言い(But)、最後に選択権を相手に委ねる(How)。
人間は選択できることに、喜びを感じるものです。

この事例は私がまさにそうだった。
18歳の頃に、得意先に「君はもう社会に出ているんだから対等に見ている、だから言いたい事ははっきりと言ってくれよ」とアドバイスをされた事がある。
後日、自社サイトの制作をそこに依頼していたのだが、出来上がったサンプルはレイアウトは酷く、私たちが何度も説明したはずの、サイトを立ち上げる目的が全く達成されていないものであった。
私はどこがマズいかを全て列記し、当時サイトを作る技術は全く無かったので、グラフィックソフトでこうしてほしいというサンプル画像を作成し、修正の依頼をした。

すると数分後、電話でキレてきた。
要約すると「高校出たての素人が何も知らないくせに知った事言うんじゃない」である。
その時上司は、「おまえのしている事は間違えていない」と言われていたのでその後も食い下がった訳であるが、やはり自分より下だと思っている人にアレコレ言われると気分を害すのだろう。

やはり、私はアメリカ式の方が好きなのかもしれない。
イメージされるのは、フラットな組織構造に、意味あるミーティング、歯車になるより出る杭を良しとする価値観。MIT教授の石井裕のインタビューを読んで、すごく気に入ってしまった。

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「やる気」はどこまで通用するか

「本人のやる気が一番大事」

大学で学ぶ学生、就職活動中の人、転職を考えている社会人は勿論、ミュージシャンもスポーツ選手もどの世界でもこの言葉は通用している。
やる気とは一体どういうものか、私はなんとなく「解ってます」という態度をとってきたが、本当の所何が「やる気」と成りうるのか解っていないようだ。

似通った言葉として、努力、根性、忍耐も同じように扱われているが、逆に「才能」という言葉はこれらを否定する意味も含まれているように感じる。

特に最近、多少悩んでいる事が「就職」である。
私はブログの冒頭に書いてある通り、20歳まで極々普通にサラリーマンをしていた。
それから色々な人から影響を受け、ある意味流されて再進学という道を選んだ。
この1年間は、今までの生活とはまるで別世界で新鮮であり、刺激溢れているのだが、このままだと卒業する時に私は27歳になっている。
修士課程へ進まなければ、25歳で就職となるが、出来るものなら中途でキャリア採用を考えている。
学業一本の大学生よりは多少は社会の仕組みを理解しているとは思うものの、正直「解っているようで解っていない」不安がいつもつきまとう。
元々そのモヤモヤを解消するために気になる事は全部勉強していこうという動機から入学したものの、格差社会が既に始まりつつあるここ日本で、5年後の自分がどうなっているのか不安で仕方がない。

同じ様に夜間大学に通っている友人のkensaku氏から、海外で学位を取った後、帰国して就職に失敗した人の話を聞いて、私もそうなるんじゃないかとますます憂慮した。

ここで話を持ち出した「才能」と「やる気」について考える。
どこかの元プロレスラーが言う様に、本当にやる気があれば何でもできるのであろうか。
おそらく「やる気」だけで夢を叶えるだけでは、説明不十分であろう。

それとは別に、どうしても否定しようの無いものである、「才能」がある。
科学の才能、スポーツの才能、ビジネスの才能、語学の才能。
どういった理屈でそれが育まれるのかは定かでは無いが、1つ言えば10知る事のできる人は羨ましい。

これといった才に恵まれない私は、やはり学ぶ他無い。
私が自己実現を達成するための手法は、言語を習得する態度と似ている。
いくら単語を覚えても、面と向かって自分の意見をペラペラ話せるものではない。
逆に、文法を学んで言語の構造を知った所でも、文章は読めたとしてリアルタイムで臨機応変に知っているはずの文法を引き出せるわけでもない。
じゃあどうするかと言うと、初めのうちは会話パターンを無限に丸暗記し、呪文の様に繰り返すのである。
自分が話せる言語は同時に聞く事も出来る。
その定型文を200覚えれば、日常生活で必要な会話は殆ど対応できるであろう。
だから私は音読が一番効率がよい。

もう夢をがむしゃらに追うことの出来る時期は過ぎた。
全てを親に支えられ、何でも始める事ができた貴重な時間を、私は気づかず目先の快楽を求めて過ごしていた様である。
今後は、全てをスケジュール通り進めていく事が要求される。

Steve jobs の言う「Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life. Don’t be trapped by dogma 」が今私がとるべき態度である。

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建築をどう生かすか

様々な分野で活躍する著名人は、意外にも大学で建築学を専攻していた人が多い。
当然ながらデザイナーや、芸術方面の作家などであれば関連性がなんとなく想像できるものの、ゲームクリエイターの斎藤由多加氏(早大)、歌手の小田和正氏(東北大)、こういった人達はイマイチピンと来ない。
著名では無くとも建築学科とは関係の無いように思える舞台で活躍しているのはよく耳にしている。

何故であろうか。それは私が建築学科を選んだ理由がまさにそうではないかと「予想」している。
建築学科は、学部で括ると日本や中国等では工学系に分類されている。
しかし、他の国では芸術系と捉えられているのが一般的で、日本での建築学の教育形態は珍しいといわれている。
知人に美術系大学出身と理工系大学出身でそれぞれ同じ「建築学科」で学んでいたデザイナーがいるが、ものの見方や、アプローチの仕方が異なっていて興味深い。

例えば「デザインとは何か?」という漠然な問いが、違いを明確に表すものである。
人によって見方は異なるのものなので、出身大学だけでは一概に言えないものの、美術系大学出身は思想からデザインを考えている。実現可能か不可能は二の次にして頭の中で目的達成のためのデザインをまず考えるのである。逆に理工系大学出身は、説明的なデザインが多い。

どっちが問いに対する「答え」なのだろうか? どっちも必要だと私は思う。
アイデア自体は誰にでも浮かぶ、だがそれを製品(具体的な形)に仕上げる事をデザイナーは出来なければならない。
つまり、思いついたイメージをスケッチやモデルやコンピュータを使って頭の中から外に出さなければならない。これらは美術系大学出身者が得意とする。
だが、それが現実的に可能かどうかを、物理的に考える必要が出てくる。
例えば椅子のデザインをして、人間の荷重を支えるにはどの材質でどれくらいの太さが必要なのか、長時間その椅子に座っていると人体のどの部分に負荷が集中するかなどを、計算しながら考えるのは理工系出身者が得意としている。

さて、なぜ様々な分野で活躍する人が建築学科出身が多いのかであるが、これはどの分野でも本質的に変わりが無いからではないであろうか。
建築は広範な知識が必要となる。構造や材料などは勿論、建築には政治、宗教、歴史、経済等の知識が無いと務まらない責任重大な行為でもある。

私は今年から2年目に入り、まだ建築をまともに勉強していないが、応用力に長けた人物になりたい。

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